キーボードの選び方
キーボードの選び方
キーボードを選ぶ際に、まずはどのように利用するかを整理し、選び方のポイントを絞っていきます。- 利用方法(仕事用、ゲーム用、表計算メイン、文章作成メインなど)
- 利用場所(広い・狭い、持ち運ぶ、頻繁に移動させるなど)
など
見た目や、雰囲気などが好きなども重要な要素ですが、自分が必要な機能がわかれば、必要な機能が揃っているキーボードを選ぶようなキーボードの選び方もあります。キーボードは仕事の生産性や効率、ゲームの成績などにも影響があるため、必要な機能を見極めることで、それらがアップする可能性もあります。
キーボードの選び方のポイント
- サイズ(フル、テンキーレス、コンパクトなど)
- テンキーの有無
- Fキーの有無
- 接続方式(有線接続、Bluetooth無線接続、USBレシーバー無線接続など)
- 形状(一般的なもの、折りたたみ式、分離式など)
- キー配列(日本語配列、英語配列など)
- キースイッチ(メカニカル:軸の種類、メンブレン、パンタグラフなど)
- キーキャップ(印字、素材、形状など)
- 静音性
- デザイン
など
以上のポイントから、自分の必要な機能などを見つけることで、自分に合った使いやすいキーボードが見つけやすくなるかもしれません。ぜひ、参考にしてみてください。
サイズで選ぶ
数字入力が多い方はテンキー付き、マウスを多く使う方はテンキーレスがオススメです。デスクのスペース、マウスのスペース、自分が多く利用するキーを把握すれば、キーボードの省スペース化が可能です。
一般的にはフルキーボードが多く使われますが、テンキーのないテンキーレスキーボードなども人気があります。コンパクトキーボードで省略されたキーの入力方法の多くは、Fnキーなどとの合わせ押しで入力を可能にしています。
※ここでは分かりやすくするために、おおよそのサイズで表記します。厳密には違うサイズで呼ばれている場合もあります。
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フルサイズ(100%)
一般的なキーボード。テンキー、Fキー、矢印キー等の全てのキーがある。
■ オススメPOINT:一般的なキーボードを使いたい。テンキーが必要。
ARCHISS Maestro FL / ARCHISS ProgresTouch RETRO / フル(100%)キーボード
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96%
フルサイズキーボードから矢印キーの上部にある、プリントスクリーン・スクロールロック・ポーズなどを省略したもの。矢印キーやDELキー等のキーはある。
■ オススメPOINT:少しでも省スペース化したい。テンキーが必要。
ARCHISS Maestro 2S / 96%キーボード
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テンキーレス(80%)
名前の通り、フルサイズキーボードからテンキーを省略したもの。
■ オススメPOINT:マウスを多く使う。デスクを広くしたい。テンキーは使わない。Fキーは使いたい。種類が豊富で選べる。
ARCHISS Maestro TKL / ARCHISS Quattro TKL / ARCHISS ProgresTouch RETRO TKL / テンキーレス(80%)キーボード
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75%
フルサイズキーボードからテンキー、矢印上部のキーを省略したもの。矢印キーやDELキー等のキーはある。
■ オススメPOINT:マウスを多く使う。可能な限りデスクを広くしたい。テンキーは使わない。Fキーは使いたい。
75%キーボード
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65%
フルサイズキーボードからテンキー、Fキー、矢印上部のキーを省略したもの。矢印キーやDELキー等のキーはある。
■ オススメPOINT:マウスを多く使う。可能な限りデスクを広くしたい。テンキー、Fキーなどは使わない。矢印キー、DELキーは欲しい。
ARCHISS ProgresTouch RETRO TINY / 65%キーボード
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60%
フルサイズキーボードからテンキー、Fキー、矢印キーを含む右側を省略したもの。
■ オススメPOINT:マウスを多く使う。可能な限りデスクを広くしたい。テンキー、Fキー、矢印キー、DELキーなどは使わない。
60%キーボード
接続方式で選ぶ
キーボードの接続方式は、USBでの有線接続、Bluetooth®やUSBレシーバーでの無線接続があります。入力速度や正確性が気になる方は有線がオススメ。デスクをすっきりさせたい方は無線がオススメです。
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有線接続
メリット:多重入力や入力の取りこぼしなど、電波干渉などによる接続トラブルがない。電池切れがない。
デメリット:ケーブルあるため移動させにくい。
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Bluetooth®無線接続
メリット:複数台に接続するマルチペアリングが可能。ケーブルがないのでデスク周りがすっきりする。キーボードの移動が可能。
デメリット:多重入力や入力の取りこぼしなど、電波干渉などによる接続トラブルが発生することがある。バッテリーまたは電池の充電・電池切れの注意が必要。
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USBレシーバー無線接続
メリット:Bluetooth®よりも接続が安定している。ケーブルがないのでデスク周りがすっきりする。キーボードの移動が可能。
デメリット:多重入力や入力の取りこぼしなど、電波干渉などによる接続トラブルが発生することがある。バッテリーまたは電池の充電・電池切れの注意が必要。無線だが、USBポートを使う。
キースイッチで選ぶ
キーボードには、一般的に使われているものとして、メカニカル / メンブレン / パンタグラフ / 静電容量無接点 /の4種類のスイッチのキーボードがあります。それぞれのキーボードの特長に合わせて、キースイッチが選ばれています。また、キースイッチの種類によってキーボードの種類を分類することもあります。(メカニカルキーボード・静電容量無接点キーボードなど)-
メカニカルスイッチ
しっかりした打鍵感、やわらかい打鍵感、入力の速さ、静音性、音がするスイッチなど、選択肢が多く好みで選べる。
メカニカルスイッチの内部に接点があり、接点が触れることで入力される。一つ一つ独立したスイッチのため、スイッチの交換が可能で、修理やメンテナンスをすれば長期間使うことができる。
様々なメカニカルスイッチがあるが、CHERRY MXスイッチもこのスイッチにあたる。
メカニカルキーボード
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メンブレンスイッチ
安価で一般的によく使われている。
メンブレンシートに接点と基板を1枚にまとめ、ラバーカップがメンブレンシートのスイッチ部分を押すことで入力される。安価にキーボードが作れるが、部分的な修理ができないため、基本的には修理を前提にしていない。
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パンタグラフスイッチ
ノートパソコン・折りたたみキーボード・薄型キーボード等で使われている。
薄型でキーストロークが短く、入力が軽く感じる。キーが、電車のパンタグラフのような構造で、スイッチを押す仕組みはメンブレン方式で入力される。パンタグラフ構造により、薄型化が可能。
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静電容量無接点スイッチ
キーの荷重(重さ)を選ぶことができ、フェザータッチといわれる柔らかい打鍵感が特長。
電極が接することなく一定レベルに近づけば回路が接続されて入力される。物理的な接点がないため、耐久性が高い。修理やメンテナンスをすれば長期間使うことができる。
静電容量無接点キーボード(REALFORCE)
詳しくは、製品特集の「キースイッチの種類とCHERRY MXスイッチについて」へ(株式会社アーキサイトのWEBが開きます)
形状で選ぶ
キーボードの形状は一般的な形のものから、持ち運びように薄型や折りたたみ式になっているもの、エルゴノミクス的な観点から分離型になっているようなものまで様々な形状がある。
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一般的なキーボード
メカニカルキーボードやメンブレンキーボードである、一般的なキーボードがもっとも選択肢が多いため、特にこだわりがない場合はこちらを選ぶことがオススメ。サイズもフルキーボード・テンキーレス・コンパクトなど豊富。
ARCHISS Maestro / ARCHISS Quattro / ARCHISS ProgresTouch RETRO / REALFORCE / VORTEX
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持ち運びキーボード
持ち運び用には、折りたたみキーボード、薄型・軽量キーボード、コンパクトキーボードなどがある。Bluetoothなどの無線で接続する折りたたみキーボードが、持ち運び用として一般的で選択肢が多い。スマートフォン・タブレット等と合わせて使う場合は、対応を見る必要がある。また、折りたたみキーボードなどは英語配列のものが多いため、一般的なキーボードのように使いたい場合は日本語配列のものがオススメ。
MOBO Keyboard2(MOBOのWEBが開きます)
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エルゴノミクスキーボード
分離型で自然な姿勢でタイピングできるキーボードや、V字型にキーがならんでいるキーボードなど、体への負担が少ないキーボードもある。選択肢は少ないが、パソコン作業・デスクワークが長時間になる方にオススメ。
Mistel 分離型キーボード
ゲームで使う
ゲームで利用する場合、素早い入力、確実な入力、ミスが少なくなるなどの要素が重要視されます。ゲームで使う場合に重要になる選択ポイントを以下に挙げます。
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Nキーロールオーバー
Nキーロールオーバー(全キーロールオーバー)は何キーを同時に押しても、その押された順序に従ってすべて認識される機能。ロールオーバーは、複数のキーを同時に押したときに、押されたキーを認識できるキー数を指す。6キー同時押し可能であれば6キーロールオーバーとなる。USBの仕様上の制限があるため、安価なUSB接続のキーボードは6キーロールオーバーの場合もあるが、PS/2接続をするとNキーロールオーバーが可能となる製品もある。
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アンチゴースト
複数のキーを押したときに、誤入力を防ぐ機能。
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マルチメディアキー
音量調整やミュート、メディアの再生・停止など、よく使う機能がある場合はキーボードで操作ができるため便利な機能。
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マクロキー
マクロ機能と登録したキーを押すと、事前に設定した順にキーボードを操作する。よく使う操作や、合わせ押しなどのショートカットを登録することで1キーで操作が可能になる機能。
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キーボードサイズ
マウスを大きく使うゲームなどが多いため、ゲームで使うキーボードはテンキーレス以下のサイズのキーボードが選ばれることが多い。
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接続方式
電波干渉などによる多重入力・入力の取りこぼし・接続トラブル・遅延などが発生することがある。気になる場合は有線がオススメ。
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重量
激しいゲームのプレイ中に軽すぎるキーボードなどでは、キーボードがずれて動く場合がある。そのため、しっかりとした重量やゴム足などがあると良い。
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ポーリングレート
パソコンがキーボードの状態を読み取る回数。1000Hzであれば、1秒間に1000回の読み取りを行う。読み取り回数が多いほどパソコン側に処理の負担がかかるため、高いスペックのパソコンでない場合はゲーミングには1000Hz程度のものが利用されることが多い。
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RAPID TRIGGER
通常のキースイッチと違い、入力位置でスイッチがONになるが、キーが離されたリリースの位置が一定区間戻されたらスイッチがOFFになる機能を指す。
通常のキースイッチの場合、入力位置とキーが離されたリリースの位置が固定されているため、入力位置までキーを押し込み、リリース位置までキーを戻さなければ次の入力が認識されない。
しかしラピッドトリガーの場合、入力位置を過ぎてスイッチがONになった後、設定を0.1mmにした場合、0.1mmスイッチが戻った時点でスイッチがOFFになるため、すぐに次の入力が可能になる。OFF位置が動きに合わせた位置で可変になるため、ゲームなどで連続で同じキーを素早く認識させる必要がある場合などに使われる。
※各社メーカー・ブランドによって呼び名が違う場合があります。
キーボードの選択時の基礎知識
キーボードを選ぶ際に、必要になってくる基礎知識をまとめます。
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キー配列(日本語配列、英語配列など)
日本語配列キーボードは、英語配列キーボードと違い「半角/全角」「無変換」「変換」「カタカナ/ひらがな」のキーがある。英語では必要のないキーのため、英語配列にはキーが存在しない。「半角/全角」などは日本語で多用されるため、日本では日本語配列キーボードが一般的である。
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日本語配列のメリット
– かな入力ができる(かな印字がキーに刻印されているものが多い)
–「半角/全角」「無変換」「変換」「カタカナ/ひらがな」のキーがある
– エンターキーが大きい
– 日本のどこでも、慣れた配列で使える
日本語配列
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英語配列のメリット
– ホームポジションから右側のキーが近い(Enter、右Shift、バックスペースなど)
–「;/:」、「’/”」、「[」「]」、「+」「-」などが同じキーや隣りのキーにある
– スペース、右Shift、BackSpaceが大きい
– グローバルスタンダード
英語配列
詳しくは、製品特集の「キー配列について」へ(株式会社アーキサイトのWEBが開きます。)
CHERRY MX メカニカルスイッチ
CHERRY MX メカニカルスイッチは、1953年にドイツで創業した、CHERRY社によって作られているメカニカルスイッチです。1983年に開発され、キーボードスイッチとして歴史と信頼がある製品です。様々なキータッチ(触感)のスイッチがあり、用途や好みに合わせてスイッチを選べます。現在は様々なメカニカルスイッチが出ているが、長年使われてきた実績からメカニカルキーボードのキースイッチの源流となっている。
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赤軸
通常入力やゲームにも使いやすい、バランスの取れたスイッチ。反発力の弱いキータッチが特長でスムーズに入力できる。メカニカルキーボードのエントリーモデルによく選ばれる。
赤軸
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茶軸
入力時にクリック感がある特長的なスイッチ。入力位置を直感的に感じることで入力をスムーズにする。メカニカルキーボードらしい入力感がある。
茶軸
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青軸
軽快なクリック音と、入力時のクリック感が特長のスイッチ。音とクリック感で入力位置を直感的に感じられる。
青軸
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黒軸
しっかりとした、反発力の強いキータッチが特長のスイッチ。反発力の強いバネが、スムーズにキーをスタート位置に戻す。
黒軸
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静音赤軸
通常の文字入力やゲームにも使いやすい、バランスの取れたスイッチ。赤軸と同様の反発力の弱い、スムーズなキータッチが特長でスムーズに入力できる。底打ち時の入力音を低減させ静音化している。
静音赤軸
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スピードシルバー軸
ゲームに向きのキースイッチ。素早い入力が特長で、入力までの位置を短くすることで高速入力を実現している。
スピードシルバー軸
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クリア軸
しっかりとした、反発力の強いキータッチで、入力時にクリック感があるスイッチ。茶軸よりも反発力が強く、入力位置を直感的に感じられ、しっかりとしたタイピングが好みの方へ。
クリア軸
詳しくは、製品特集の「キースイッチの種類とCHERRY MXスイッチについて」へ(株式会社アーキサイトのWEBが開きます)
その他の選択ポイント
その他にもキーボード選択時にポイントになるものがいくつかあります。
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キーキャップ
キーボードをタイピングするときに触る部分なので、消耗が激しい傾向にある。素材によって、劣化しにくいもの・しやすいものがある。また、キートップの文字等の印刷方法によっては文字が消えてしまう場合などもある。
詳しくは、製品特集の「キーキャップについて」へ(株式会社アーキサイトのWEBが開きます)
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キーストローク
キーが底打ち状態(底面にあたる状態)になるまでの距離を指す。一般的なメンブレンやメカニカルキーボードのデスクトップパソコンは「3~4mm」、パンタグラフキーボードなどのノートパソコンでは「2~3mm」が多い。超薄型のものはこれ以下のものもある。
キーストロークが深いと誤打減るが高速入力しにくい・浅いと高速入力できるが誤打が増えるとされている。キーストロークが浅すぎると、触れただけで入力がされ、誤打が増える傾向にある。また、すぐに底打ちになり、硬い床面に触れてしまうので指が疲れるとも言われる。
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キーピッチ
キーの中央から隣のキーの中央までの間隔。一般的なキーボードでは、19mm前後である。コンパクトなキーボードやノートパソコンのキーボードなどは、全キーまたは一部キーの間隔をこれ以下にすることで省スペース化しているものもある。一般的なキーボードが19mm前後のため、狭すぎるとタイピングがしづらくなる傾向にある。
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アイソレーション設計
アイソレーションとは分離、孤立という意味。キーボード用語として使う場合は、キーとキーのタイピングする部分の間隔をあけることを指す。
エルゴノミクス(人間工学)の考えを使い、隣のキーを押してしまう誤打を防ぐために間隔をあけている。主にノートパソコンのキーボードや、薄型のキーボードで使われることが多い。(一般的なキーボードはキーキャップが台形なので、キー同士がピッタリと隣接することがほとんど無いため、もともとアイソレーション設計に近い形になっている)
- 重さ
持ち運びを考える場合、重さを考慮することが多い。